住宅ローンの返済途中に親が病気やケガのためにローンを滞納をしたり今後の返済が難しくなっているケースもあると思います。
払えなくなる理由が病気やケガの場合には流石に仕方がないことだとは思いますが、ローン会社や銀行はどんな理由であってもいつまでも支払いは待ってはくれません。このまま何度も滞納をしているおそらく近いうちに差し押さえとなり、残るのは高くの借金だけかもしれませんよ。
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差し押さえになれば多額の借金だけが残ることも
家が差し押さえになれば借金はそれで無くなると勘違いされている人も多いそうですが、まさにその通りで、家を失ってもローンを払いきれない事が多く、その場合には残りの借金はそのまま請求されることとなり、しかも一括請求されることも多いです。
どうして差し押さえられてもローンがなくならないの?
差し押さえになった不動産は競売にかけられますが、競売の仕組みに大損をさせられる原因があるんです。実は、競売にかかる場合には入札のスタート価格が相場のたった3割近くになるという仕組みがあります。(正確には、固定資産税の評価額の約3割がスタート価格の目安)
そして、入札をする人は決まった金額しか入札することができず、通常のオークションのようにどんどん値段が上がっていくようなものではありません。
つまり、スタート価格が540万円の家なら、あえてそこに大穴狙いで550万円という金額で入札をしてくる人が沢山います。この場合、固定資産税評価額の3割で540万円となっていることから、本来なら一般に売りに出せば1800万円が売値の相場と分かりますが、入札者が550万円で入れた1人しかいなければ信じられない話ですがたった550万円で家を買われてしまいます。
これが家を差し押さえられて競売にかかっても住宅ローンが完済しきれずに多額の借金だけが残るというカラクリになります。
競売にかかって借金だらけになる親を救うには
親が家を失い借金だらけになるという最悪の状況を避けるには、競売にかからないように滞納分や目先の数ヶ月のローンの支払いを子供が出し替えてあげ、家をなるべく高く売る必要があります。
第一に、ローンさえ払っていればこの先ローンを完済する日まで、誰に文句も言われることがないので、高値で売れる相手を見つけるまでじっくり腰を据えて売却に挑むことができます。それに、仮に子供であるあなたがローンを立て替えても、そのお金は家が高く売れれば戻ってくる可能性は十分にあります。
なお、家を売る時には、自分で近所の不動産をまわって依頼先を決めるような古い方法を選ぶと、相場よりも安く売られる心配があるので、かならずネットの不動産査定サービスを利用してから売却依頼先を選ぶ必要があります。
家と不動産には相性(立地や価格帯や抱えている顧客層)があるので、査定サービスを利用して複数の不動産屋から査定を集め、最高値の業者に依頼をするのが今の時代にベストな方法とされています。
親の家のローンを援助するお金が無い時には
親の家が競売に掛かる前になるべく高く売るには、売れる日まではとりあえずはローンをきちんと払い続ける必要があります。でないと、売却をしている途中で差し押さえなんてことになれば、最悪の場合、何も知らない「家の買い手」から損害賠償を求められるリスクもあるからです。
とは言え、子供であるあなたにも自分の家庭があったり自分の生活のことだけでギリギリとういうこともあると思います。そんな時は、ひとまず親のためにキャッシングという手段を使い目先の数ヶ月くらいのローンを立て替えてあげるのも親孝行と言えます。
ローンを代わりに払えないなんて言えませんよね・・・
親に「代わりに払うお金なんてないよ」なんて言ってしまうと親は自分の家のことに加えて子供の生活のこともまで心配になってしまいます。せめて子供として親に心配をかけないためにもここはドンと見栄を張ってでもお金の心配はさせないのが子の務めとも言えそうです。
正しい方法で家を高く早くうることができれば、もしかするとローンの残高以上に家が高く売れるかもしれませんし、もしローンが残っても少額のローンなら今後は親は年金で払っていくことも十分に可能性がありますよ。
昔の人は「親孝行をしたい時には親は無し」と言ったものですが、今ならあなたの親は健在ですので、親孝行ができる絶好のチャンスとも言えそうです。
家が高く売れローンが減れば親は賃貸暮らしも可能
家が高く売れれば当然ながらローンの残高が無くなったりもしくは大幅にローンが減るので毎月の返済額もぐっと減ります。
つまり、経済的に余裕が生まれることになるので親は家を手放したとしてもその後に賃貸マンションやアパートなどで何不自由のない生活を送ることも十分に可能となります。
ちなみに、老後の生活を考えた場合でも賃貸物件で暮らしていれば将来に入院をしても施設入所をするとなっても、とにかく動きが身軽になりますし、それにバリアフリーな賃貸物件も多く1Fの部屋なら外出もすごくラクになります。
私は常々、ファイナンシャルプランナーとして、ご年配の方のお住いは持ち家よりも賃貸、そして高層階よりも1Fが何かと便利とオススメしているくらいです。引っ越しをされる際にはぜひ低層階を検討されてみてはいかがでしょうか?
スムーズに事が運びますことを願っております。