お金が急に必要になることって誰にでもあると思います。テレビのドラマなどでは会社に頼んで給料の前借りをさせてもらったりと、お金を借りれるイメージもあると思います。
では、会社でお金を借りることができるのか?テレビの話だけなのか?調べてみました。
もくじ
会社には従業員貸付金制度というものがありました
従業員貸付制度というのは会社の福利厚生の一環として用意されるもので、残念ながらどこの会社でも用意されているものではありませんでした。比較的大きな企業でしか存在しないのかもしれませんね。
少なくとも、法的には企業が従業員のためにこれを使えるようにしておかないといけないって理由はないそうです。なので会社になくても文句は言えません。
※ちなみに、私の周囲では勤務先にこの従業員貸付制度がある会社は存在していませんでした。
勤務先に従業員貸付制度を用意してもらうには?
この制度はあくまでも会社が任意で用意するものなので、現状で用意されていないということは、おそらくどれだけお願いをしても動いてはくれないと思います。
なぜならこの制度を用意するには、消費者金融と同様に貸付制度の規定を作る必要があり、とにかく手間がかかるからです。
従業員貸付制度を作るには労組か同等の動きが必要に
従業員貸付制度はあなた一人が「作るぞ!」と動いてもどうになりません、なぜなら、これを整備するには基本的には労働組合が必要となり、もし労働組合が会社にない場合には、従業員の半数以上の人数の了承を得る必要があるからです。
労働組合のお偉いさんは真面目な人が多いから、借金するような話には消極的になりがちです。
それに、会社からお金を借りたいと思っているのはおそらくあなただけですから、他の大勢の従業員があなたのために仕事終わりの時間を何日も空けてくれるとは考えられません。
従業員貸付制度でお金を借りるには正当な理由が必要です
また、この制度を利用できるのは正社員であることが前提で、さらには概ね3年以上の勤務年数がなければ対象外になるのが一般的です。
それに、借りる際には当然ですがお金が必要な理由を説明しないといけません。単なる飲み屋のツケを払う場合や友達への借金返済などあまりにも個人的な理由の時には拒否されると思ってください。
あくまでも、身内の葬儀費用だったりケガや病気のためにお金がかかる場合など、プライベートなことであっても会社で勤務を続けていくうえでは避けることができない必要な出費に限られます。
会社は利益に繋がらない事は大嫌いだと知ってください
もちろん、手間がかかったとしても会社の利益に繋がるものであれば動いてくれるかもしれませんが、給料を払っているだけでも会社は大変なのに、さらに突発的なタイミングでお金を貸すなんて経営者からすればありえない選択です。
本来、会社は利益を求めて動いていますし、経営者本人が創業者かその一族などの場合には、「会社の儲けは自分の儲け」に近い発想をしているものですから、お金を社員に貸すなんてますますありえないんです。
給料でやりくりできない社員は会社にとって恐ろしい存在
会社が毎月ちゃんとお給料を払ってくれているとしたら、それでやりくりできない社員というのは会社からすると怖い存在です。
と言うのも、なんでお金が足りないのか本当のところを会社は分からないのでギャンブルだったり飲み屋のツケだったり、金銭が絡むトラブルに巻き込まれているかもしれないと「まともじゃない」と判断されるからです。
お金を借りたい人が社内でとる行動こそが問題
そういった社員が次に起こす行動は、他の社員に「お金を貸して欲しい」と相談して迷惑をかけるという行動です。こんなことがあれば他の社員は迷惑ですし、最悪の場合に、貸したお金がすぐに戻らない場合には社員同士でトラブルになり、貸した社員が辞めてしまう恐れもあるからです。
それだけお金の貸し借りは会社内ではタブーなんです。
金銭トラブルを抱えた社内はできればクビにしたいのが企業の本音
金銭トラブルを抱えた社員のせいで、他の社員が退職するようなことはあっては大迷惑ですし、会社のお金に手を付けられてからでは遅いです。上場企業などは事が発覚すれば株価にさえ悪影響を及ぼし、取締役などは辞任に追いやられる恐れもあります。
なので、そういった原因となる金銭問題を抱えた社員はクビにしたいのが本音なんです。でもクビには簡単にはできませんから、何か理由をつけて左遷をしたり、年収をダウンさせたりと、自ら会社を去りたくなるように仕向ける傾向があります。
よほどの覚悟がなければ会社からお金を借りる方法は諦めましょう
以上のことからも、会社からお金を借りるということは、いつ辞めさせられても良い覚悟がないとできないことがご理解いただけたと思います。
ですから、銀行やカードローンを利用してひとまずお金を工面するのが無難です。お金を工面してもらうなら、工面するのが仕事の銀行やカードローン会社に声をかけるのが鉄則です。
仮にそういったサービスを利用してお金を借りたとしても、滞納を繰り返すなどしてよほどの悪質なケースに陥らない限りには会社に借金を知られることはありませんよ。
ちなみに、ドラマなどで上司や社長がお金を貸してくれるシーンについて、税理士さんと話をした機会に話題になったことがありますが、実はあれは個人的なポケットマネーなんだそうです。もし会社から貸付をした場合には利息を数%取る必要があったり、貸した場合には帳簿上に記帳する必要があるそうです。
会社のお金は例え1円でも払えば記帳が義務付けられているため、貸した日や金額や相手名などが記録されることとなり、場合によってはそれを株主さんが見て文句をつけたり、税務署などにも知られることとなるそうで、会社にとってやはり何も良いことはないそうです。